TR-01re
私が手にしたこの新しいアンプはAnalog Squared Paper様(以降A2P略)
元々A2Pの既存ラインナップは、真空管タイプやSIT素子を使った製品だ。
私は友人の持つTUR-06やTU-05の素晴らしい音を聴き感動を覚えた。
しかし私の求める音としては真空管の音ではなく石、トランジスタアンプなのです。
もちろんそこは私の好みなだけであり他のラインナップ製品もそれは素晴らしい音と仕上げである
是非とも一度は見聴きして欲しい。
結局私は既存の製品のセミオーダー方式ではなくフルオーダーメイドのワンオフとして石のポータ
ブルアンプを作成して貰えないか相談をする形となった。
ブルアンプを作成して貰えないか相談をする形となった。
元々オーダーメイドが基本とはいえラインナップにない製品を作成してほしいとの依頼に快く相談に
乗ってくれたことにまず感謝を述べたい。
乗ってくれたことにまず感謝を述べたい。
私のオーダーは雑すぎるもので「石を使った可搬可能なポータブルアンプ」だけであり後頼んだ点は
入出力端子の指定のみだ。
入出力端子の指定のみだ。
こんな大まかすぎるスタートから製作者である鹿田氏はここまで素晴らしい音とデザインに仕上げて
いるのである、もう驚嘆しかない。
いるのである、もう驚嘆しかない。
製作を正式に依頼するより前から相談はしていたが実際にオーダーをした日は2017/10/02だ。
それより前に鈴鹿にある工房にお邪魔し相談した時もその後のメールのやりとりでもそうだが
とにかく細やかな気配りやオーダーに応えようとして下さる姿勢に深い感謝がある。
お互いの対話の上で製作されていく事にとてつもない喜びがあるのだ。
実際フルオーダーメイドなのだから当然の事だろう?と思う方もいらっしゃるかもしれないが
一人の顧客のオーダーにここまで細やかに対応される事は実際ほぼ無い事だと私は断言できる。
過去ここまで細やかかつ親身に対応してくれたのはアイウェアブランドHoetのPatrick Hoet氏以来だ。
対話を重ねて自分の製品が出来上がっていく様は人生で何度も体験できることではないと思うが是非
何かで体験して欲しいと私は思う。
何かで体験して欲しいと私は思う。
自分で作成しているわけではないが人と人が関わることでこんなにも楽しい時間があり、素晴らしい
物ができるのだと実感してほしい。
物ができるのだと実感してほしい。
それを実感する上でA2Pに依頼する事は何よりも確実な手段の一つだと自信を持って薦められる。
一点だけ注意するとすれば製品は回路設計、筐体設計、実装等の製作工程全てを鹿田氏が行っている
ため今すぐ欲しい!となっても多少の時間がかかることだけはご愛嬌だ。
ため今すぐ欲しい!となっても多少の時間がかかることだけはご愛嬌だ。
その時間を対話を持って楽しむことがオーダーの楽しみでもあるのだから。
オーダーは2017/10/02、今回納品されたのは2018/05/12だ。そこまでかかるのか?と疑問の方もいる
と思うので説明させていただく。
と思うので説明させていただく。
これは鹿田氏の妥協のないリテイクの為であり全くネガティブな要因で納期が長いわけではない。
ケースの加工が荒かったもののリテイクやより良い仕上げにするための再塗装
基板単位で4枚も再製作し現在の最終版に仕上げているという途方もない手間をかけてくれたからで
ある。
ある。
何度も、何度でも言いたいがここまでしてくれる会社など無い。
多大な感謝こそあれど納期が長かったなどという気持ちは持つことすらできない。
むしろこの妥協の存在しない事こそがここまで美しい造りと音質につながっているのだとひしひしと
感じている。
感じている。
ちなみに今回筐体の加工を行ってくれた方は新人の職人さんだとお聞きした。
デザインの都合困難な加工の部分も多くかなり苦労をして仕上げてくれたそうだ、この場を借りて
感謝の言葉を述べたい。
感謝の言葉を述べたい。
TR-01reのコンセプトは”原点回帰”なぜならばTR-01reは前身であるTR-01を元に製作されているから
である。そしてその原点たるTR-01のコンセプトは無味無臭、増幅器としての忠実な増幅。
である。そしてその原点たるTR-01のコンセプトは無味無臭、増幅器としての忠実な増幅。
それらを引き継ぎ十年の時を経てポータブルアンプとして再度製作されたのがTR-01reだ。
(左がTR-01)
私の拙い知識にはなるが少々中身の話をしようと思う。
専門ではない私の解釈かつ例えた言い方が多いため見識者のお目汚しにはなるとは思うが少々お付き
合いを。
合いを。
TR-01reはディスクリートの帰還型アンプだ。
入力された信号を正確に増幅するには出力先の信号を入力先の信号と見合わせズレがないかチェック
すればいい。
すればいい。
しかし一般的なオペアンプを使用したアンプなどは出力先の慣性や弾性にドライブ力が負け肝心の
チェックするものに揺れ、間違っている部分がでてしまう。
チェックするものに揺れ、間違っている部分がでてしまう。
今回はピークで5A流せるパワフルなトランジスタをA級動作で使用しそれに負けないドライブ力を発揮
している。
している。
さて、答え合わせの波形は正確になったがこれだけではまだ100点には届かない。
チェックする速度が遅いようではチェック漏れが出る。
素子数の増加は遅延の増加に繋がるためミラー効果防止等には潤沢に使用されているが、出力段とても
シンプルで高速に仕上げられている。
シンプルで高速に仕上げられている。
そして電源は初段とドライブ段で分離されている。
これはヘッドホンを動かす大電力でGNDや電源が揺れることが入力に影響することがないように行わ
れている。
れている。
TR-01reは優れた電源部、パワフルなドライブ力と高速な回路構成によってダンピングの効いた電圧を
出力しているのだ。
出力しているのだ。
A級動作のアンプに付き纏う熱問題についても基板の裏(トランジスタ側)にダイオードをつけて熱が上が
ると電流を減らすようになっており、熱的な安定をもたらしている。
ると電流を減らすようになっており、熱的な安定をもたらしている。
実際TR-01reは上流のどんな些細な要素も逃すことなくソースを増幅し、素直に出力してくれているように
感じる。
感じる。
我々オーディオにこだわりを持つ人間にとってこれほどうれしいことはあるだろうか?
今まで自らが選び取ってきた機材の音をなんの不足も無く増幅してくれるのだ、オーディオマニア冥利に
尽きるアンプとはまさにこのTR-01reのことだろう。
尽きるアンプとはまさにこのTR-01reのことだろう。
私が今回のスタックで目指した音はソースの音をそのまま聴く、ということだった。
あくまでライブ感ではなくスタジオで収録されCDにプレスされた状態そのままだ。
あくまでライブ感ではなくスタジオで収録されCDにプレスされた状態そのままだ。
ライブも好きだが録音された音楽媒体というものはアーティストだけでなくエンジニア、スタジオ設計者
等の不断の努力により作成されたものだ。
等の不断の努力により作成されたものだ。
私にとってはそれ自体が崇高な芸術作品に思える。だからこそ私は今回のコンセプトに行き着いた。
そんな思惑の中「貴方の作りたい石のアンプを作って欲しい」と鹿田氏に依頼をし、このアンプを作成し
てくれたことにもう一度深い感謝を述べたい。
てくれたことにもう一度深い感謝を述べたい。
本当にありがとう。
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